――「やどまる美祢」をオープンするにあたり、どのようなことを準備されましたか?
Fさん:
卒業後はまず出店地を探しましたね。
「稼働率が高くて競合が少ないエリア」を見つけて、事業計画を作成しました。
金融機関に借入を依頼しにいったところ、「事業計画をしっかり作成していること」「出店地の見込みデータを出していること」「スーパーホテルで年間稼働率全国2位になった実績」をエビデンスに、個人借入の相場を上回る金額を借り入れることができました。
計画としては、『ローコスト運営』を目的に、自分1人でまわすことを軸にいろいろ考えていました。
あとは、スーパーホテルでの4年間でのお客様のお叱りの声をプラスにして、設計を考えました。
ホテルシステム導入は経費もかなりかかるので、エクセルの勉強をして独自のホテルシステムを作成しました。
HP作成にはワードプレスを利用してドメイン代のみで済ませましたね。
会計や税務に関しては専門的な知識を必要とするので、全経簿記の4級・3級を取得、税理士を雇わず自分で知識を習得。
集客については、スーパーホテルでの経験をもとに、「ネット集客」に力を入れました。
こういった努力を積み重ね、徹底的なコストダウンを図りながらも、【やどまる美祢】をオープン。
全11室で、1人で運営しています。
ホテル内に住居があり、元副支配人である妻と息子の3人で暮らしています。
「頑張らない、考える。」今の経営スタイルの確立
――支配人の頃と現在で、大きく変わった点は何ですか?
Fさん:
スーパーホテルの4年間、自分なりの経営が磨かれましたね。
忙しい日々を送る中で磨かれてたどり着いた考えのひとつは、
「頑張らない、考える。」
自分自身がピンチになったり、壁にぶつかった時のマインドです。
がむしゃらな頑張りも必要です。
でもそれ以上に大切なのは、結果を出す為にどれだけ「考える」か。
いかに勉強して目的を達成するか。
「勝つ」ことに意味があるのだという考えにたどり着きました。
このマインドは、今の自分の経営スタイルとなりましたね。