ビールを提供する側からつくる側へ。店を畳み、いよいよ本気で取り組もうとする中で、ひとつだけ大きな迷いがありました。それは本当にクラフトビールでいいのかということです。近年、クラフトビールは全国的に盛り上がり、各地で地域性に富んだ商品がつくられています。でも、ビールの原材料はそのほとんどが外国産。ローカルをキーワードに盛り上がりを見せる一方で、海外に依存したものづくりはやがて限界が来るようにも思えました。どこかに負荷をかけてまで、自分たちが飲みたいお酒をつくるのは違うんじゃないか。そんな葛藤の中でたどり着いたのがりんごを使ったハードサイダーです。国内で人気のクラフトビールはフルーティなものばかり。フルーツではない原料を使って無理やりフルーティさを出すなら、身近にあるりんごでいいじゃんって思ったんです。